ピロリ菌について
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ピロリ菌 感染度セルフチェック
ここのところ、ずっと胃の調子が悪い…
もしかしたら、ピロリ菌が原因かもしれません。
【こんな人は要注意!】
- 胃炎や胃・十二指腸潰瘍を起こしやすい
- 胃の不快感が長時間(半年以上)続いている
- 薬を飲んでも一時的にしか回復しない
- 健診の胃のバリウム検査で異常を指摘された
- 1970年以前に生まれている(または年齢が40歳前後である)
- 衛生環境の悪いところに住んでいたことがある
- 家族にピロリ菌の感染者がいる
ピロリ菌とは
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリが正式名称)という菌をご存知でしょうか。最近はヨーグルトのCMでよく見かけるようになりました。ピロリ菌は我々の胃の粘膜表面に住んでいます。通常、胃の中は強い酸である胃酸が分泌されているため、細菌は生きていけません。しかし、ピロリ菌は尿素をアンモニアに分解する酵素、ウレアーゼを出すことで胃酸を中和し胃の中に住めるのです。
このピロリ菌、どのようにして我々の胃の中に入り込むのでしょうか。ピロリ菌は、食べ物や飲み物と一緒に口から胃の中に入り込むと考えられています。飲み水から感染する場合もありますが、上水道が整った現在の日本では少なくなっています。
またピロリ菌に感染している大人が、乳幼児に口移しで食べ物を与えることで感染する場合もあります。ピロリ菌は乳幼児期に感染した場合には胃に住み着きますが、成人してから感染した場合は一時的な胃炎を起こすだけで胃には住み着かない、と言われています。
ピロリ菌と病気
ではピロリ菌が住み着くことによりどのような病気が起こるのでしょう。
主なものとして胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、胃ガンになる可能性が高くなります。
ピロリ菌の治療を行うことにより、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療ができ、またその再発を抑えることもできます。
以前までは、ピロリ菌の除菌治療を健康保険で受けられる方は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の方(過去に診断・治療を受けられた方)胃MALTリンパ腫の方、特発性血小板減少性紫斑病の方、早期胃ガンに対する内視鏡的治療を受けられた方に限られていました。
ピロリ菌の除菌を行うことにより、胃炎や胃ポリープが改善した、胃ガンの発生予防になる、など様々な報告があり、適応の追加が望まれてきました。
これをうけ2013年2月22日より新たに適応が追加され、慢性胃炎(ただし内視鏡にて確認をする必要があります)での除菌治療が保険適応になりました。
ピロリ菌の検査法
ピロリ菌の検査には、大きく分けて2種類あります。
内視鏡による検査を行うか、内視鏡以外の方法で検査するか、です。内視鏡以外の方法による検査には、血液の抗体を調べる検査、便の抗原を調べる検査、呼気テストの3種類の検査があります。
ピロリ菌の治療
ピロリ菌がいることがわかったら、ピロリ菌の除菌治療を行いましょう。
ピロリ菌の除菌治療は、3種類の薬(胃酸の分泌を抑える薬1種類と、抗生剤2種類)を1週間内服することで行います。薬を飲み終わってから約1ヶ月後に、ピロリ菌除菌の効果判定検査を行います。
効果判定検査では、尿素呼気テスト(判定薬を内服する前後に紙パックに息を吹き込んでもらうだけの簡単な検査)を行います。検査結果が出るのは約1週間後です。
残念ながらピロリ菌の除菌失敗に終わることもあり、ピロリ菌除菌治療の成功率は約7割といわれています。また、除菌治療薬による副作用が生じることもあります。その多くは下痢・軟便であり、薬を中止すれば改善することがほとんどです。
しかしながら、除菌治療薬を中断すると除菌は不成功に終わる確率が高くなりますので、副作用が生じた場合はご自身の判断で薬をやめてしまわず、医師にご相談ください。